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サイクリングの後、ユースホステルの共同のリビングでボーっとしていると友達が出来ました。財布の話は後から出てきます。あせらず、あなたも自分の財布の事を確認してからこの話を読んでください(笑)
そのアンドリューと名乗る不思議な友達は、既に二週間もそのモーテルに滞在しているようです。年も職業も語ろうとはせず派手な服装をしていましたが、女の話ばかりしていたので、ゲイではないのでしょう。
年は十代か二十代前半に見えました。なぜ、ゲイではないと書いたのかというと、サンフランシスコは本当にゲイの町のようです。バージンレコードのような普通の店でも、アダルト雑誌のコーナーの半分がゲイ向けになっているとアンドリューから聞きました。
興味本位に後で確認してみたのですが、どこの本屋もそんな感じです。日本では考えられませんね。
さて、アンドリューの生まれはニューヨークで今は放浪の旅をしているのだとか。私はアンドリューにサンフランシスコはどこが一番面白いのか聞きました。すると、即答でチャイナタウンと答えました。
となれば行くしかありません。色々とアンドリューにビールやワインをご馳走になって、さらにはいいスポットまで教えていただいて至れり尽くせりです。酔いも回ってきて少し疲れを忘れた頃、シャワーを浴びて寝ようと思いました。

すると、足に激痛が走りました。さらに、いったい何に使ったのか分かりませんが、腹筋も痛いのです。アルコールである程度痛みを感じないはずなのにも関わらす、結構痛かったです。
そうして、次の日の朝、起きてみると驚きました。足をひきづって歩かなければならないくらい、足が痛いのです。本当にびっくりしました。
そうして、足を引き釣りながらユースホステルからチャイナタウンまで歩きました。なんだか、そこはアメリカではなく中国に来たようです。
私は中国に入ったことが無いのですが、中国はきっとこんな雰囲気なのだろうと言った感じでした。中国語が飛び交い、そして干したカキやアワビや魚が豪快に店先にカバーもかけずに並べてあって、匂いもそれなりの匂いがしています。
そして、中華料理屋が沢山あって、銀行のATMでさえ、漢字で書いてあります。改めて、アメリカが多民族国家である事を感じる一瞬でした。
そうして、チャイナドレスなどの小物をウインドーショッピングした後、やはりお腹がすいたのでレストランに入りました。どうせならと思い、なんだか中国人しか入らない感じのそんな雰囲気の小さい中華料理屋に入りました。

なんというか、ジャッキー・チェンとかが映画で使いそうな店の雰囲気です。もちろん、私はジャッキーではないので、そこで一波乱あって椅子とか机でカンフーがどうの、こうので店がグチャグチャにって展開にはなりませんよ。期待してたら、ゴメンなさい(笑)
少し緊張しながらドアで待っていると、店員が近づいてきました。そして、一人である事を告げて、
指定された席に座りました。
周りを見ると、白人・黒人はいません。そして、中国語しか飛び交っていないようです。とにかく、恐る恐るメニューを見ました。
すると、英語も小さく書いてありました。なので、少し安心してアヒルのローストとご飯を頼みました。すると、5分くらいで出てきました。美味しいアヒルの照り焼きのような感じのです。
ご飯は日本のお米と大差はありませんでした。本格中華は、こうも美味しいのかと感動していたその時です。私の舌に衝撃が走りました。
一緒に渡されたお茶を飲んだのですが、びっくりするほど苦いのです。何と言うか、一昔前の「笑っていいとも!」の罰ゲームに使えるのではないのかと思うほど、お茶がまずいのです。漢方かなんかなんでしょうか?
良いお茶かもしれないので結構悩んだのですが、緊張しながらも水を頼みました。すると、思ったとおり直ぐに出してくれました。そうして、会計です。

いやー満足、満足とレシートを見ると5ドルとありました。あんなに美味しいアヒルをいただいて、5ドルとは感激ものです。それに食事にありつけるまでも、本当にスピーディーだったのでチップも大目に払おうと思っていました。
そして、デビットカードを店員に渡しました。すると、ここは中国人の多い中華料理屋です。そんな物は通用しないようです。そして、落ち着いた顔でバックの中の財布をとろうとしました。
その時です。背筋がぞっとしたのです。昨日はサイクリングに行ったため、いつものバックではなくて、リュックに財布を入れていました。なので、現金が一ドルもなかったのです。
それも、相手が片言の英語しか話せない中国人に説明しなければなりません。あせりまくってしまいました。それに結構大金の入っている私の財布はユースホステルのベッドの上においてある鞄に鍵がかかっているわけでもなく入っているのです。
いろんな意味で、焦りまくってしまいました。とにかく、事情を英語で説明して、免許書とパスポートを店においていくから、近くのATMまで言ってお金を下ろしてくるから申し訳ないが、それまで店で待っていて暮れと頼みました。
すると、全くの笑顔で応対してくれました。なんとなく、日本人の感覚だと、中国人が中国語同士で話しているのを聞くと、物凄く怒っているかのように感じてしまいます。
でも、そうじゃないなんだなと感激しながら、お金を下ろしてきました。そして、会計でいつもよりかなり多めにチップを払っておきました。なんだか、得した気分になりました。

そして、財布の事を気にかけながらも開き直って、帰りに酒を買ってモーテルに戻りました。
財布は無事にベッドの上の鞄の中においてありました。悪い人は今回はラッキーな事にいなかったようです。
リビングに行くと、アンドリューとその友達がDVDを見ていました。チャーリーとチョコレート工場でした。その人たちと、映画を見ながら色々しゃべったりして、この日のエピソードを話しました。
そうすると、アンドリューはこの話が気に入ったらしく、新しく話の輪に加わる人には、必ずこの財布を忘れた話をするように私に勧めます。何回財布という単語を言ったか覚えていません。そうして、その日は楽しく飲んで、楽しく過ごしました。
筋肉痛だったの少し残念ですが、楽しい一日でした。体力も残っていなかったので、観光名所を回るわけでもなく、そこで出会った仲間たちと早い時間から酒を飲む。そんな過ごし方でした。
そうして、次の日は日本へ経ちます。ストップオーバーを使っているので、久々の日本への帰国と言うことで、少しワクワクしていました。

次の日の朝が早いので、私は一緒に飲んでいた周りの人にサヨナラを言って共同の部屋の綺麗なベッドに入りました。
そこで楽しく過ごしたメンバーがもう一度出会うなんて事は、二度と起こり得ない事でしょう。逆に、今まで打ち解けていたのが不思議なような気もします。でも、その時は本当に昔から知っている友人と話すような安堵感がありました。
そんな別れに寂しさを感じながら、サンフランシスコの旅は面白かった。また来たい。そんな気持ちで眠りに尽きました。

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