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荷物をロッカーにしまって、自分のベッドに座って一息つきました。一息ついたといっても、なんだか良く分からないアルコールの匂いのキツイ、オヤジに囲まれていたらとてもリラックス出来る状態ではありません。
急遽変更された予定を、また変更して、出かけることにしました。また、あの恐ろしい道路を渡らなければならないかと思うと、テンションが下がります。
それに、何と言っても、外はマイナス16度しかないのです。それでも、私にわずかに残っている勇気と、好奇心を振り絞ってマンハッタンを繰り歩くことにしました。
とりあえず、最初にどこに行こうかと思った時、ニューヨークライブラリーに行くことにしました。最寄の地下鉄駅を使ったので、渡りにくい道路も渡る必要が無く、スムーズに目的地に到着する事が出来ました。
図書館行きは正解でした。マンハッタンが嫌いにならずに済みました。バカの一つ覚えのようですが、こんな感想を持ちました。「おー、昨日『デイアフタートゥモロー』って映画で見た所だ!」
私にとっては、それで非常に感激するのです。今まで、落ち込んでいた事が嘘のように、立ち直りました。そして、映画で重要な役割を持っていた部屋には入れなかったので、本を燃やしたりはしませんでした(笑)
そして、その後、エンパイアステートビルで夜景を見たりしました。その時に日本人の人に、写真をとってくれと頼まれました。日本ではなんでもない事ですが、日本語を聞いただけで、ニューヨークを一人で歩いているという緊張から少し開放されて、涙ぐみそうになったりしました。

そして、その後、モールに行きました。そこは、マンハッタンモールといって有名なモールです。
アーノルド・シュワルツェネッガーの映画の『シングル・オール・ザ・ウェイ』にも出た来た事のあります。
私はワクワクしながら、店を回っていました。そして、思わずお土産用の「I LOVE NEW YORK」のT−シャツを買いました。実はこのお土産を買ったというのが、私にとって命取りだったのですが、その時、私は気付いていませんでした。
そして、私はそのモールで夕飯を食べました。といっても、サブウェイのサンドイッチを食べただけです。とてもおいしかったので、かなり大きいのですが、勢い良く食べてしまいました。
そして、帰ろうと思ってエレベーターにのって、地下から地上に出ようと思いました。
その時です。私は誰かに勢い良くぶつかられました。そして、そのぶつかってきた相手は手に持っていたメガネを床に落としました。
その相手は、15歳くらいの小柄な黒人でした。そして、私に怒鳴りつけました。 「何て事してくれるんだ。このメガネは、200ドルもするんだ。」
しかし、指を指しているヒビは、ただ普通に拾い上げてよく一瞬で分かったなと思うような微妙な、
見るのに全く影響の無いヒビです。
それに、小柄な人が持っていたのを落としただけなので、そんなに高いところから落としたわけでもありません。(嫌味ですか?)
とにかく、目の悪い人がそんな一瞬でよく発見できるなと思えるような傷でした。
そして、私にこう怒鳴り続けます。「とにかく、新しいメガネを買わなくちゃならない。確かに、お互いがぶつかったんだからお互いが100ドルずつ払えば新しいのが買える。そうすれば、解決だ。」
私は、本当に焦りました。そのときの私の財布には、カードを持っていた事もあって、5ドルほどしかありませんでした。
どうしようと、焦ってしまいました。そして、もちろん何も口に出てきません。恐らく、外から見ていたら、険しい顔で黙っているだけだったでしょう。

払えないと思った時、あまりにもパニックになっていて気付いていなかった事に気付きました。そして、私は頭の中でこう叫びました。 「これは、恐喝だ!」
まあ、気付いた所でどうしようもありません。そして、私が黙っていると、相手はまた英語で同じ事をまくし立てました。
私は何も答えませんでした。むしろ、言葉を失ったているのです。そして、その時、私の視界に警官が立っているのに気づきました。
私も今考えると、良くやったと思うのですが、その時は自然に口からこう出てしまいました。「トラブルが起きたのは分かった。でも、私のリスニングはよくない。そこに警官がいるから助けてもらえないか、聞いてみる。」
そして、今考えると、改めて良くそんな事が出来たと思うのですが、火事場のバカ力というか、キン肉マン的に言うなら火事場のクソ力というか、警官の方角に歩き始めてしまったのです。
すると、相手がこう私に言いました。 「どうしてなんだ。お前は英語を今話してるだろ。それに、俺は学校に行かなくちゃならないから、時間が無い。だから、単純に払ってくれ。」

すると、私は何かが吹っ切れていたのか、なぜか物凄く冷静に、「Perdon?」と言って、警官の方角へ歩きました。
15メートルほど進んで、警官にあと15メートルといった所まで移動しました。中学で習った英語は、実践で役に立つのです(笑)
すると、彼はゆっくりした口調で私に同じ事を言いました。すると、本当に私はどうしてしまったのでしょうか。こう、言い返しました。
「警官なら、どれくらいかかるか知ってると思う。」すると、彼は突然私に強引に握手をして、立ち去ってしまいました。
すると、私はあまりにも怖かった事が起きたために、その場に座り込んでしまいました。後から考えると、信じられない位に冷静に対応していましたが、本当に怖かったので、腰を抜かしてしまいました。
すると、警官が声をかけてくれました。そして、私は何故か大丈夫だといって、その場を早く立ち去らねばといった気分になってしまって、立ち上がりました。
OK、OKとつぶやきながら、その場を去りました。なにか、とても混乱していました。
そして、当ても無くマンハッタンモールをふらつきながら、これからホステルに帰らなければならないのかと、かなり落ち込んでいたのと同時に、その場を離れなくてはといった感じで焦ってもいました。
ホステルに帰る自信も失っています。とは言っても、マンハッタンモールは事件の現場です。でも、ホステルの近くの方がもっと危険な感じがします。
もし、私のニューヨーク滞在が物凄く短く、この時に発たなければならないのなら、私のニューヨークへのイメージは物凄く悪いものでしょう。
でも、安心してください。人生はそう、辛い事ばかりではありません。ニューヨークを離れるときには、私はまた来たいと思いながら、ニューヨークを離れるのです。

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